Alegriasの踊り伴奏について、構成やコード進行の基本的なこと その② シレンシオから
この記事はこんな人におすすめしたい
・Alegriasの伴奏してみたい
・踊りの構成がどうなっているかよく分からない
・伴奏で使われるAlegriasの典型的なコードが知りたい
・まず覚えた方がいい歌を具体的に教えてほしい
こんな人たちに向けて自分が分かりやすいと思った動画を使って解説していきます.
今回はシレンシオから先を解説
踊り伴奏のAlegrias、典型的な構成と歌のコード進行(前回と同じ)
踊りの構成
まず始めに、Alegriasの基本のパターンとしては
①サリーダ(イントロ)
②1歌
③ファルセータ(ギターソロ)
④2歌
⑤シレンシオ
⑥カステジャーノ
⑦エスコビージャ
⑧ブレリアデカディス
という形が典型的です.
この一般的な形を覚えておくと、踊りの伴奏をするときや動画を見るときに今どのパートをやっているのかということが頭に入ってきやすくなると思います.
変わった構成のものが出てきてもこの基本が分かっていればどこに何が加わっているのか、なくしているのかが分かって理解が深まります.
実際に動画を観ていきましょう.
今回説明に使う動画
"Alegrías" programa Huelva TV concurso flamenco
今回はこの動画を使って説明していきます.
踊り(バイレ)は Melisa Maciuk
歌(カンテ)は Bea García Morales, Paco Borrego
ギターは José Ismael Sierra
パルマ(手拍子)が Clarisa Di Salvo
という方たちです.
カポは3フレットにつけています.
部分ごとに説明 歌のコード進行ここから
①サリーダ (salida) 0:00~1:16
②1歌 (primera letra) 1:16~2:06
③ファルセータ (falseta) 2:06~2:35
④2歌 (segunda letra) 2:06~4:04
①~④までについては前回の記事を参照してください
⑤シレンシオ (silencio) 4:08~5:08
シレンシオ、直訳すると”沈黙”
マイナー調のメロディに変化し、踊りも足はあまり鳴らさない振りになり全体的に静かな雰囲気に変化します.
シレンシオの最も典型的なものは、12拍を1コンパスとして
イントロ 2コンパス
メインテーマ 4コンパス
で構成されます.
ちなみにイントロの最初の6拍、つまり1/2コンパスでギターのコードをジャラーンと鳴らしている部分はカンパーナと呼ばれます.
シレンシオにはもう一つシレンシオ”ラルガ”と呼ばれる典型的な形があり、これは先ほどのシレンシオに
メジャー調(元のアレグリアスのキー)のメロディを4コンパス
付け加えたものになります.
”ラルガ(larga)”というのは英語で言えばlongにあたりますので、”シレンシオラルガ”は”長いシレンシオ”というような意味合いになります.
動画では最も基本的な、イントロ+メインテーマで6コンパスのシレンシオになっています.
⑥カステジャーノ (castellano) 5:08~5:31
シレンシオとエスコビージャの間のパートをカステジャーノと言います.
このパートはシレンシオの後に踊りの足から入りますが、カウントが分かりづらいところだと思います.
この動画ではギターとパルマ全員が入ってくるのが6カウント目になっています.
踊りの足が入るのを2カウント目として数えてあげるとわかりやすいと思います.
3カウント目のアクセントをつかめると入りやすくなります.
歌のコード進行は
12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
E → → C#7 → F#m
F#m → B7 → → E
E → → C#7 → F#m
F#m → B7 → → E
⑦エスコビージャ (escobilla) 5:31~
踊りの足のフレーズがメインになるパートです.
踊り手によって長さが変わってくる部分ですね.
5:31~6:12
フレーズが1拍目から始まっています
6:12~6:47
リズムがブレリアに変化しています.フレーズの始まりも12拍目からに変化.
6:10くらいから踊り手が足でリズム変えますよの合図を出しています.
6:47~7:59
タパ(ブラッシングやゴルペを使うパーカッシブな演奏)
7:59~8:21
ブレリアデカディスのファルセータ
⑧ブレリアデカディス (buleria de cadiz) 8:21~
8:21~9:05
アレグリアスはブレリアデカディスの歌に変化して終わることが多いです.
ここまで来たらもう一息、頑張りましょう.
歌のコード進行
12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
E → → → B7 → E
E → →F#m
F#m → → B7
B7 → → → E
E
E → C#7 → → F#m
F#m → → B7
B7 → → → E
E
E
E7 → → A
B7
B7 → → → E
9:05~9:22
スビーダ(速くなっていくパート)
9:22~
最後のパートです.
ハケ歌と呼ばれることもあります.
分かりやすい.
コード進行
12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
E → → C#7 → F#m
F#m → B7 → → E
E → → C#7 → F#m
F#m → B7 → → E
E → → C#7 → F#m
F#m → B7 → → E
E → → C#7 → F#m
F#m → B7 → → E
踊りがハケたら最後に締めのフレーズを入れて終わりです.
伴奏は実際に合わせてやってみるという経験をしないと分からないことがたくさんあります.
知らない歌を歌われる、ファルセータの前に足があるのないの?、シレンシオの長さが違うetc...
それでも今回ここでまとめたことが分かるようになれば、いざ合わせるとなった時にこの部分は少し違うな、こういうパターンもあるのかと学ぶことが出来て、全くちんぷんかんぷんですということはなくなると思います.
少しずつでもいいので生の踊りや歌と合わせて練習する機会を作って行きましょう!
まとめ
・Alegriasの踊りの基本的な構成を覚えよう
①サリーダ(イントロ)
②1歌
③ファルセータ(ギターソロ)
④2歌
⑤シレンシオ
⑥カステジャーノ
⑦エスコビージャ
⑧ブレリアデカディス
・シレンシオは基本6コンパスか10コンパス
・カステジャーノは入るタイミングに注意
・エスコビージャは途中でリズムが変わってブレリアになる
・ブレリアデカディスのコード進行
・生の歌や踊りと合わせる機会を持とう
これを読んでくれたあなたの役に立てれば幸いです.