Tientosの踊り伴奏について、構成やコード進行の基本的なこと その① 2歌まで

 この記事はこんな人におすすめしたい

・Tientosの伴奏してみたい

・踊りの構成がどうなっているかよく分からない

・伴奏で使われるTientosの歌の典型的なコード進行が知りたい

 

こんな人たちに向けて自分が分かりやすいと思った動画を使って解説していきます.

 前回はアレグリアスの解説はこちら→その①、 その②

 

 

 

 

踊り伴奏のTientos、典型的な構成と歌のコード進行

踊りの構成

まず始めに、Tientosの基本のパターンとしては

 

①サリーダ(イントロ)

②1歌

③ファルセータ(ギターソロ)

エスコビージャ1

⑤2歌 

エスコビージャ2

⑦タンゴ

 

という形が典型的です.

 

この一般的な形を覚えておくと、踊りの伴奏をするときや動画を見るときに今どのパートをやっているのかということが頭に入ってきやすくなると思います.

変わった構成のものが出てきてもこの基本が分かっていればどこに何が加わっているのか、なくしているのかが分かって理解が深まります.

 

※今回の解説では上の構成になっている動画で解説しますが、2歌の最後のほうでタンゴに直接変化するパターンもあります.

そちらもいずれ解説できたらと思います.

 

実際に動画を観ていきましょう.

今回説明に使う動画


Tablas pa' Ti - Tientos y Tangos

 

今回はこの動画を使って説明していきます.

踊り(バイレ)は Raquel González

歌(カンテ)は Paco Gasolina

ギターは Thiago Vásquez

パルマ(手拍子)が Maria MArtínez

という方たちです.

カポは1フレットにつけています.

動画ではオンコードやテンションコード使っていますが、一番単純なコードで表記しています.

 

部分ごとに説明 歌のコード進行ここから

①サリーダ (salida) 0:11~2:45

0:11~1:18

ギターのリブレ(はっきりした拍のない)ファルセータから始まります.

カンテでもギターでも一番最初はリブレで始まることもありますが、しっかりコンパスに合わせたものフレーズから始まることももちろんあります.

 

1:18~1:45

ここからカンテサリーダが始まります.

カンテのサリーダはティエントに限らず”ジャジャー”や”レレー”などの言葉(?)で入ることが多いです.

 

コード進行

1 2 3 4 1 2 3 4

Bb     A

Bb     A

Bb     A

 

1:45~2:24

歌のサリーダが終わり踊り手が入ってくる間にギターがファルセータを弾いています.

 

 

2:24~2:45

ここから踊りのサリーダでの足パートになります.

2:36辺りで腕からの動きが入ってきていますが、これを見たときに「あ、そろそろシメに入るかな?」ということが感じ取れます.

歌を歌っている間に踊り手が入ってきてファルセータなしでこのパートにすぐに入ることもよくあります.

即興でやるときには踊りの動きをよく見て次に何をするつもりなのかを感じ取る能力が必要となってきます.

 

②1歌 (primera letra) 2:45~3:52

 サリーダが終わり1歌に入ります.

今回は直接歌が入ってきていますが、2コンパス分(Bb→Aの進行分)歌の入りを待つこともあります.

 

コード進行

1 2 3 4 1 2 3 4

Bb     A

Bb     A

Bb     A

A7     Dm

G7     C

C7     F

Bb     A

C7     F

Bb     A

 

黒字が歌あり部

赤字部分はレマーテ

③ファルセータ (falseta) 3:53~4:35

1歌が終わってギターのファルセータ

最後のフレーズはよくファルセータのシメで使われるフレーズ

あれを聴いたら終わりだなと分かってくれることが多い・・・はず.

 

エスコビージャ1 4:35~4:57

エスコビージャが始まるときに踊り手が足を4つ打ってこのパートのテンポをお知らせしてくれています.

ここはしっかり聴きましょう.

最後のシメが歌に被る長さまで来ているので注意が必要です.

④2歌 (segunda letra) 4:57~6:05

 1歌より短くなっておりコード進行が少し変わってくるので注意です.

2歌ではこの短い歌が使われることが多いです.

 

コード進行

1 2 3 4 1 2 3 4

Bb     A

Bb     A

Bb     A

C7     F

Bb     A

C7     F

Bb     A

Bb     A

Bb     A

 

黒字が歌あり部

赤字部分はレマーテ

緑は歌が終わった後

 

 

ここからエスコビージャ2に行き最後のタンゴへと続きます.

タンゴの歌が結構多いので、今回はここまで.

続きはまた次回.

 

 まとめ

・Tientosの踊りの基本的な構成を覚えよう

①サリーダ(イントロ)

②1歌

③ファルセータ(ギターソロ)

エスコビージャ1

⑤2歌 

エスコビージャ

⑦タンゴ

 

・ファルセータはその都度入ってきたり入ってこなかったり

・踊り手が次に何をするつもりなのかを見極めるように意識しよう

 

 

 

これを読んでくれたあなたの役に立てれば幸いです.